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【夏バテ】と脱水症・熱中症との違い・治療

  7月より裕子先生による【夏バテ】外来が季節限定で開設されます。 つきまして、【夏バテ】についてのブログをあげさせていただきます。 少しずつですが、追加更新しますので、参考になれば幸いです。 本日は【夏バテ】と脱水症・熱中症との違い・治療について すこし説明させていだきます。 【夏バテ】と脱水症・熱中症との違い   脱水症・熱中症とは特に間違いやすいので注意してください。 脱水症の初期の症状は全身のだるさ・食欲不振などで、夏バテに似ています。 ただし「ただの夏バテ」と放置すれば症状が進行し、呼吸困難や意識障害などを引き起こす可能性があり危険です。 近年では日常的に体内の水分が不足している状態の「かくれ脱水」も問題になっています。 これは熱中症にもつながる症状です。 熱中症は徐々に進行する夏バテとは異なり、急激に体調が悪くなります。 また気分の落ち込みなどの精神的な症状をともなう場合、うつ病の疑いがあることも覚えておいてください。 特に夏場に現れるうつ症状は「夏季うつ病」とも呼ばれます。 悪化すれば生活に支障をきたすこともあるため、早めにかかりつけ医に相談しましょう。   【夏バテ】の治療   脱水症状の解消・栄養補給・生活指導 が大きな柱となります。 即効性が必要な場合、点滴で不足したビタミン・補酵素・ミネラル分などを補給します。 とくに炭水化物を効率よくエネルギーに変えるビタミン B1 が効果的だといわれています。 そして最も重要なのは、夏バテを繰り返さないための生活習慣の改善です。 食事・睡眠・運動などの観点から総合的に指導を行います。   当院では患者さんのライフスタイルを考慮した治療・生活指導を提案しながら、患者さんと一緒に【夏バテ】改善を目指します。

【夏バテ】の自覚症状・原因について

  久しぶりの更新となります。 7月より裕子先生による【夏バテ】外来が季節限定で開設されますので、【夏バテ】についてのブログをあげさせていただきます。少しずつですが、追加更新しますので、参考になれば幸いです。 【夏バテ】の自覚症状   代表的なものは全身の疲労感・体のだるさ・食欲不振です。 他にも熱っぽさ・立ちくらみ・下痢などの症状が出ることもあります。 それ以外にも、頭痛、めまい、首や肩のこり、寝つきが悪い、気分の落ち込み、やる気が出ないなどといった症状が現れます。 放置していると不調が積み重なり、秋まで不調が続くことにもなりかねません。  特に幼児や高齢者は体の維持機能に不具合が発生しやすいため、脱水症状や熱中症を併発・発症しやすいため、早めの対応が欠かせません。 【夏バテ】の原因   一般成人では、高温多湿な日本の気候と自律神経の乱れが大きな原因です。 30 ℃以上の猛暑と高湿度の日々が続くために汗をかくことでナトリウムやミネラルなどの栄養素が失われてしまいます。 また湿度が高いためにその汗自体も蒸発しにくいため、体温調整もスムーズにいきません。 その結果体力が消耗して【 夏バテ 】の状態になってしまいます。 加えて、自律神経の乱れによる【 夏バテ 】も増加傾向です。 仕事での涼しい室内に一日中過ごしていると暑い屋外の温度差で自律神経が乱れ、夜間に休息をとっても完全に回復することができず、【 夏バテ 】の症状につながります。 慢性的に運動不足・睡眠不足 の状態が続いている人も注意が必要です。 運動不足 は、筋力はもちろんそのほかの体の機能も低下します。 特に筋肉量が減少して来ると体温調整機能も低下するため、夏場の室温と外気温の差に耐えられません。  体は体温調整にかなりのエネルギーを消耗するため、体力低下や体調不良を起こしやすくなります。  また、 睡眠不足 は体力回復のチヤンスを失います。夏は 1 年の中でも最も体力を消耗しやすい季節ですから、翌日の活動に備えて十分な休息を取る必要があります。 次回は、【夏バテ】と脱水・熱中症の違いなど をご説明いたします。

季節限定 【夏バテ】外来のお知らせ

  季節限定 【夏バテ】外来のお知らせ   当院では、 7 月1日から 9 月 30 日まで季節限定で【夏バテ】外来を開設します  裕子先生による 【夏バテ】による諸症状のご相談・治療をさせていただきます。      診療時間:月・火・木・金: 1400 から 1600             予約不要です。  即効性を求めての点滴加療、不眠、倦怠感の相談・治療、日常生活で自分で対応できる方法・健康食品指導など、裕子先生の女性の視点からアドバイスをさせていただきます。  ご不明な点などは、当院にご相談ください。  

関節リウマチの高度PIP関節変形に対する人工指関節置換術の学会発表動画

  以前より専門学会で発表していた演題を本ブログに少しずつアップさせていた抱こうと思います。患者さんにとって良い情報になればと思います。 本発表は関節リウマチの指変形にも色々ありますが、70度以上のPIP関節の屈曲拘縮(ほぼ指が曲がりぱなしの状況ですね)の患者さんに対して、少しでも可動域が獲得できるように、顔を洗いやすく過ごしていただくようにとの思いから、施行してきた症例のまとめ発表となります。 ちょっと、専門性が高いのですが、動画ですので、見ていただければその限界と良さが伝わればと思います。 成績にバラツキがある事実もありますので、すべての患者さんにお勧めしてよいかは別ですが、一定の水準まで良くなるのではと思います。 悩まれている方、もうあきらめなさいと言われてしまって途方に暮れる方いらっしゃるようですので、参考になればと思います。 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www.tanino-tegeka-seikei.com

野球肘(外側型:離断性骨軟骨炎)の実際症例  

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  本日は今後手術予定の患者さんの画像からです。 14歳 男性(中2) 近医のスポーツクリニックで野球肘検診と称して3,4か月に1回経過観察されていたようです。3か月の野球禁止をうけていたが、そのあとは、ドクターの指導内容がどうしたらよいのかわからないため、初発の症状から1年経って当院に来訪いただきました。 関節可動域は良いようです しかしながら、実際のレントゲンでは、以下のような写真となっています。 画像では見事なOCD(離断性骨軟骨炎)です。中央の骨がへこんでいる点が異常なので、中央型となります。外側が欠損する外側型よりは可動域制限などが目立たないので、困らないとドクターに判定されたようです。保存療法を経て、このように外側が修復していき中央だけ残ることもあります。   あまり患者さんは疼痛は言わないことも多いですが、この方は、 「キャッチボールとちょっと遠投するとやっぱり痛いです」「バッテイングは大丈夫です」とのことです。 指導されていたドクターからは、「無理しない範囲で使っていいよ」とのこと、私から「本当に 上手くできているの? 」と聞くとちょっと黙っていました。 野球肘外側型では小学生高学年から中学生ぐらいまでは、OCDと呼ばれる離断性骨軟骨炎での受診率が高いです。実際、整体やスポーツトレーナーの預かりでエコーだけ当てて経過みているチームもいる事実もあります。 今回のドクターはスポーツ医の資格だけの先生ですので 、手術にならないように予防のお話しはしていたようですが、 手肘の専門医、指導医でもありませんでした。 そのため、野球肘の手術適応の基準は知らないようです。 成長期のスポーツ障害は競技によって特徴的なものがあります。野球肘というぐらいですから、本疾患では肘の専門性が高い医師と相談していただければと思います。 (この子の場合、病初期で3か月待っても復帰できない場合は、骨釘移植などで術後4か月から5か月で完全復帰を目指しますし、分離期や遊離期で大きな欠損の場合は、肋骨肋軟骨や膝からのモザイク形成術で術後5から6か月の完全復帰が可能です。患者さんにも、早い段階で適切な治療方針を提示してもらい、家族で選択できる環境が欲しいところです。このご家族のおいては前医からは何も説明されておりませんでした。) 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www....

今日の症例から ~ 母指CM関節症に対する関節形成術 ~

患者さんは 50代後半の土木作業員の方でした。 「シャベルを使うと痛い」「残土など運ぶ時にも痛い」など仕事での愁訴と 「ペットボトルのフタが開けにくい」「ズボンを持ち上げてはきなおすのがつらい」といった生活上の不具合もあった方でした。 日程がなかなかお休みとれなかったのですが、幸い、1か月の休養が担保されましたので、患者さんとご相談して関節形成術の手術となりました。 今回は、傷んだ大菱形骨を摘出してぶつかり合う要素を排除し、その不安定性を最小限に抑えるために腱を用いた靭帯再建術を行っています。 今日は術後6か月での画像を提示します。 日本中で行われているスタンダードな術式でもありますが、なかなか、一般整形外科でお勧めされないかとは思います。 CM関節症への手術方法は多くのバリエーションがありますが、疼痛をとるということに関してはどれも有効な方法だと思っております。 患者さんの環境、時間が許せば検討いただきたい手術の一つです。伝達麻酔という、上肢の部分麻酔で1時間で対応可能ですので、それほど体の負担にはなりません。 あきらめることなく、お近くの手外科専門医の先生に相談いただければと思います。 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www.tanino-tegeka-seikei.com

今日の症例から ~ 手根管症候群対立再建術 術後経過 ~

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手根管症候群、母指球筋萎縮に対する対立再建術 術後8か月 「手指がしびれて力がいれにくい」「ペットボトルのフタが開けにくい」 との愁訴で来訪されておりました。 検査の過程で手根管症候群であり母指球筋の萎縮(筋肉のふくらみが減ってくる状態)が出現んしていました。 「手指が使えるようになりたいのです」とのリクエストでもありましたので、手根管開放術と長掌筋腱を用いたCamitz法と呼ばれる対立再建術をさせていただきました。 通常の手根管症候群の手術よりも固定期間をいただきますが、早期に手指に力を入れてつまむ動作ができると考えております。 開放術のみで正中神経の自然な回復を待つ先生も多いのですが、(私も患者さんによってはその方法を採用しております)本当に戻るのか?など判断基準はなく、まだまだ不確実なことも事実です。  下の写真は術後8か月の写真です。外観もきれいですし、しびれは消失しているそうです。 下の動画でもわかるようにつまむ力も回復しています。しびれもとれているようですので、好きな草むしり(まめな方でして、熱中症には注意してもらっています)もやりやすくなっていて、大変喜んでいただきました。 患者さんのお困りごとは一人ひとり異なります。あきらめず、ご相談していただければ何らかの方向性が得られると思います。 「様子見ましょう」も良いのですが、いつまで様子をみるのか?を意識して主治医の先生とご相談するのも一考かと思います。 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www.tanino-tegeka-seikei.com