今日の症例から ~ 母指CM関節症に対する関節形成術 ~
患者さんは 50代後半の土木作業員の方でした。
「シャベルを使うと痛い」「残土など運ぶ時にも痛い」など仕事での愁訴と
「ペットボトルのフタが開けにくい」「ズボンを持ち上げてはきなおすのがつらい」といった生活上の不具合もあった方でした。
日程がなかなかお休みとれなかったのですが、幸い、1か月の休養が担保されましたので、患者さんとご相談して関節形成術の手術となりました。
今回は、傷んだ大菱形骨を摘出してぶつかり合う要素を排除し、その不安定性を最小限に抑えるために腱を用いた靭帯再建術を行っています。
今日は術後6か月での画像を提示します。
日本中で行われているスタンダードな術式でもありますが、なかなか、一般整形外科でお勧めされないかとは思います。
CM関節症への手術方法は多くのバリエーションがありますが、疼痛をとるということに関してはどれも有効な方法だと思っております。
患者さんの環境、時間が許せば検討いただきたい手術の一つです。伝達麻酔という、上肢の部分麻酔で1時間で対応可能ですので、それほど体の負担にはなりません。
あきらめることなく、お近くの手外科専門医の先生に相談いただければと思います。
谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP
www.tanino-tegeka-seikei.com