本日の診療から ~橈骨遠位端骨折~

 本日は、関節内に骨折線が入っていた橈骨遠位端骨折の患者さんでした。60歳代の女性。3世代でお住まいの家族の食事をつくる現役の主婦の方です。

 大きなズレがない場合には、手術をせずに治療可能なことが多いのですが、ギプス固定を4から5週間は必要となります。

 意外に思われるかもしれませんが、ギプスをしていても途中で骨がズレていくことがあるため、手術よりもより慎重に治療を進める必要があります。

 腫れが引けてくるとギプスが緩くなるため、途中で骨折部がズレる場合もあります。しかしながら、それを恐れて手指の先まで固定をされてしまうと今度は手指の動きが硬くなります。

 まれに、「後から頑張りましょう」という医療機関もございますが、ギプスを巻いて4,5週間の時から慌てて開始しても、関節が硬くなってくると痛みを生じやすくなり、さらに動かさない、動かせないということがあります。

 手術を選択すると前述の不確定要素は、大幅に軽減されますが、手術をするということ自体のハードルは一般的に高いものです。

 今回は、手術なしでギプスで頑張っていくながれとなりました。

 いつも治療の説明は、難しいものです。複数の治療方法がある場合には良い面、悪い面を理解していただき、患者さんと医療機関の方向性があうように、治療をえらべるよう心がけていきます。

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