今週の症例から ~橈骨遠位端骨折の治療タイミング ②~

 先日、橈骨遠位端骨折の変形治癒の患者さんがいらっしゃいました。変形治癒というのは、「曲がって骨がくっついた」ということです。

 どの医師も骨が癒合するために治療いたしますが、「機能的に障害が残らない」「怪我する前と同じように使えるようになる」などを目標としていると思います。

 この患者さんは、「手関節を捻る時に小指側が痛い」「手をそるときに痛い」との問題が残ってしまいました。

 実際には、この症状は初期に適切な治療方法があるのですが、時間が経って慣れる人も一定数いらっしゃいます。

 程度の差ですが、困る・困らないには境界線があります。

 骨折した時点で、どの状態を目標として治療開始するのかを確認すると、「ちょっと曲がっていても」「ちょっと変形しても」びっくりしないですよね。

 きちんと治したいとなれば、また方法が変わることもありますので、お世話になる先生と必ずよくご相談しましょう。

 私自身は、正しい説明が、治療の安心を増やしてくれると信じています。

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