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関節リウマチの高度PIP関節変形に対する人工指関節置換術の学会発表動画

  以前より専門学会で発表していた演題を本ブログに少しずつアップさせていた抱こうと思います。患者さんにとって良い情報になればと思います。 本発表は関節リウマチの指変形にも色々ありますが、70度以上のPIP関節の屈曲拘縮(ほぼ指が曲がりぱなしの状況ですね)の患者さんに対して、少しでも可動域が獲得できるように、顔を洗いやすく過ごしていただくようにとの思いから、施行してきた症例のまとめ発表となります。 ちょっと、専門性が高いのですが、動画ですので、見ていただければその限界と良さが伝わればと思います。 成績にバラツキがある事実もありますので、すべての患者さんにお勧めしてよいかは別ですが、一定の水準まで良くなるのではと思います。 悩まれている方、もうあきらめなさいと言われてしまって途方に暮れる方いらっしゃるようですので、参考になればと思います。 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www.tanino-tegeka-seikei.com

野球肘(外側型:離断性骨軟骨炎)の実際症例  

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  本日は今後手術予定の患者さんの画像からです。 14歳 男性(中2) 近医のスポーツクリニックで野球肘検診と称して3,4か月に1回経過観察されていたようです。3か月の野球禁止をうけていたが、そのあとは、ドクターの指導内容がどうしたらよいのかわからないため、初発の症状から1年経って当院に来訪いただきました。 関節可動域は良いようです しかしながら、実際のレントゲンでは、以下のような写真となっています。 画像では見事なOCD(離断性骨軟骨炎)です。中央の骨がへこんでいる点が異常なので、中央型となります。外側が欠損する外側型よりは可動域制限などが目立たないので、困らないとドクターに判定されたようです。保存療法を経て、このように外側が修復していき中央だけ残ることもあります。   あまり患者さんは疼痛は言わないことも多いですが、この方は、 「キャッチボールとちょっと遠投するとやっぱり痛いです」「バッテイングは大丈夫です」とのことです。 指導されていたドクターからは、「無理しない範囲で使っていいよ」とのこと、私から「本当に 上手くできているの? 」と聞くとちょっと黙っていました。 野球肘外側型では小学生高学年から中学生ぐらいまでは、OCDと呼ばれる離断性骨軟骨炎での受診率が高いです。実際、整体やスポーツトレーナーの預かりでエコーだけ当てて経過みているチームもいる事実もあります。 今回のドクターはスポーツ医の資格だけの先生ですので 、手術にならないように予防のお話しはしていたようですが、 手肘の専門医、指導医でもありませんでした。 そのため、野球肘の手術適応の基準は知らないようです。 成長期のスポーツ障害は競技によって特徴的なものがあります。野球肘というぐらいですから、本疾患では肘の専門性が高い医師と相談していただければと思います。 (この子の場合、病初期で3か月待っても復帰できない場合は、骨釘移植などで術後4か月から5か月で完全復帰を目指しますし、分離期や遊離期で大きな欠損の場合は、肋骨肋軟骨や膝からのモザイク形成術で術後5から6か月の完全復帰が可能です。患者さんにも、早い段階で適切な治療方針を提示してもらい、家族で選択できる環境が欲しいところです。このご家族のおいては前医からは何も説明されておりませんでした。) 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www.tani

今日の症例から ~ 母指CM関節症に対する関節形成術 ~

患者さんは 50代後半の土木作業員の方でした。 「シャベルを使うと痛い」「残土など運ぶ時にも痛い」など仕事での愁訴と 「ペットボトルのフタが開けにくい」「ズボンを持ち上げてはきなおすのがつらい」といった生活上の不具合もあった方でした。 日程がなかなかお休みとれなかったのですが、幸い、1か月の休養が担保されましたので、患者さんとご相談して関節形成術の手術となりました。 今回は、傷んだ大菱形骨を摘出してぶつかり合う要素を排除し、その不安定性を最小限に抑えるために腱を用いた靭帯再建術を行っています。 今日は術後6か月での画像を提示します。 日本中で行われているスタンダードな術式でもありますが、なかなか、一般整形外科でお勧めされないかとは思います。 CM関節症への手術方法は多くのバリエーションがありますが、疼痛をとるということに関してはどれも有効な方法だと思っております。 患者さんの環境、時間が許せば検討いただきたい手術の一つです。伝達麻酔という、上肢の部分麻酔で1時間で対応可能ですので、それほど体の負担にはなりません。 あきらめることなく、お近くの手外科専門医の先生に相談いただければと思います。 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www.tanino-tegeka-seikei.com

今日の症例から ~ 手根管症候群対立再建術 術後経過 ~

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手根管症候群、母指球筋萎縮に対する対立再建術 術後8か月 「手指がしびれて力がいれにくい」「ペットボトルのフタが開けにくい」 との愁訴で来訪されておりました。 検査の過程で手根管症候群であり母指球筋の萎縮(筋肉のふくらみが減ってくる状態)が出現んしていました。 「手指が使えるようになりたいのです」とのリクエストでもありましたので、手根管開放術と長掌筋腱を用いたCamitz法と呼ばれる対立再建術をさせていただきました。 通常の手根管症候群の手術よりも固定期間をいただきますが、早期に手指に力を入れてつまむ動作ができると考えております。 開放術のみで正中神経の自然な回復を待つ先生も多いのですが、(私も患者さんによってはその方法を採用しております)本当に戻るのか?など判断基準はなく、まだまだ不確実なことも事実です。  下の写真は術後8か月の写真です。外観もきれいですし、しびれは消失しているそうです。 下の動画でもわかるようにつまむ力も回復しています。しびれもとれているようですので、好きな草むしり(まめな方でして、熱中症には注意してもらっています)もやりやすくなっていて、大変喜んでいただきました。 患者さんのお困りごとは一人ひとり異なります。あきらめず、ご相談していただければ何らかの方向性が得られると思います。 「様子見ましょう」も良いのですが、いつまで様子をみるのか?を意識して主治医の先生とご相談するのも一考かと思います。 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www.tanino-tegeka-seikei.com

一般的な腱鞘炎(ばね指)の治療方針について

    手指の腱鞘炎の特徴と症状について 腱鞘炎とは、腱と腱鞘の間に炎症が起きる病気です。腱は腱鞘の中を通って指を曲げたり伸ばしたりする際に必要な部位です。 症状は初期段階では違和感や不快感、一瞬の痛みがあります。進行すると指を曲げ伸ばす動きが困難になり、日常生活に支障をきたすこともあります。 手指の腱鞘炎の治療法 1: 安静        症状がある場所に負担をかけずに安静に過ごすことが大切です 2:ストレッチ    症状が軽減したら手指を意図的に反対側の手で伸展させることで、          指の柔軟性、腱の滑走性を保つことが重要です 3: 病院での治療  改善が見られない場合は、ステロイド注射を腱鞘内に投与して炎症            を 抑えることもあります。並行して、運動療法リハビリにて具体的           な手指の使い方を指導します 4:手術     1から3の治療で改善が得られない場合、来院時にすでに関節拘縮、          屈筋腱同士の癒着がある場合は手術が必要になる場合もあります 手指の腱鞘炎の手術方法 実際の手術方法には以下の3つがあります 1.      腱鞘切開術  o    通常の皮膚を切開して行う手術です o    局所麻酔を行い、腱鞘の直上の皮膚を数センチ切開します o    切開した箇所から原因となっている腱鞘を探し、指の両側にある動脈や神経を傷付けないように手術を行います o    抜糸は 10 日前後で行われますが、軽度の作業はすぐに行えます o    費用は症状によって異なり、健康保険の 3 割負担で 2 万円前後です 2.      内視鏡手術  o    内視鏡を使って行う手術です o    局所麻酔を行い、皮膚を数ミリ切開し、内視鏡の管を挿入します o    管の中にメスを入れて炎症を起こしている腱鞘を切除します o    費用は施設によって異なり、健康保険の 3 割負担で約 2 万 5000 円くらいです。  施設によっては自費診療で行っているクリニックもあります o    関節の曲がりにくい方、指の曲げ伸ばしの分離が不自由な方など症状の重度の  場合は内視鏡による手術は向きません 3.    屈筋腱部分切除術(重症もしくは再発症例の場合)

今日の症例から ケガの後のしびれには注意しましょう。~指神経断裂縫合術~

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今日はちょっとマニアックですが、 指周辺の傷の時には、指の しびれがあるかを注意してください。 患者さんは、17歳男性でした。ガラス片に手をついて皮膚を切ってしまい、近所の外科で縫合術をしてもらったそうです。それ以降、しびれが続くため当院を来訪してくれました。 他院では、傷が治ったら問題ない旨、しびれは経過見ましょうとのコメントだったそうです。 傷はこんな感じですので、指神経や腱損傷が危ないパターンです。 親指の指腹がしびれるとのことで、指神経断裂を疑い手術を勧めました。 手術で確認してみると神経は傷が入っていました。 (画面真ん中下のマカロニみたいに見えるところのくびれみたいなところが断裂部位です) 顕微鏡を用いて、髪の毛よりも細い糸で縫合しています。 固有指部での神経断裂はご本人のしびれが唯一の症状ともいえます。神経の走行(通っている場所)は、手外科専門医ならば想像がついていますので、最初のケガをされた時に神経損傷の有無を確認しながら治療に当たってくれます。 神経断裂は様子を見ても治りません。傷の上をぶつけるとそれより指先がしびれて響いたり、けがをした指が他の指と比べてしびれている場合は要注意です。 めったにないのかもしれませんが、お怪我をされた時にはしびれの有無には気にかけていただき、しびれていた場合は、きちんと先生にお伝えして対応を考えていただければと思います。 谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP www.tanino-tegeka-seikei.com

手根管症候群についてのご質問

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  以前、四国新聞の質問コーナーでお答えした記事を掲載させていただきます。 「手指がしびれる」と検索するとよく出てくる手根管症候群の記事になります。 一般的なことですが、診断、治療方針、生活の注意点、どこまで保存療法を頑張れるか、どこからは手術も検討した方がよいのか、を考えて記事を作成しております。 甲状腺機能低下症や血行障害でもしびれることはございますし、頚椎症からのしびれも外来では注意が必要です。 手指の使い過ぎは、よく知られていますが、意外と「手の休ませ方」をアドバイスしているものは少なかったりします。 民間療法や医療類似行為での指導も散見されますが、診断、治療の一貫した流れを熟知している手外科専門医のコメントを参考にして、患者様に合う、受け入れられる治療方法を選択していただくのがよろしいかと思います。 SNSの時代となりました。 情報が多くて「何が正しいのか」「何が良いのか」患者様自身での判断が難しくなりました。 記載された情報の出どころが、明らかであるかをご確認いただき、記事を吟味していただければと思います。