今日の症例から ~へバーデン結節~

 本日は、84歳女性。手指が動かした後、とくに草むしりしたあとや雑巾を絞った後から痛みがあるんですとの方でした。他院で「年齢ですから仕方ありません」「無理のない範囲で使ってください」と整形外科で言われたものの、どうやって過ごすのかは説明をしてもらえなかったとのことでした。

 指先のDIP関節の変形でした。へバーデン結節と呼ばれる変形にこ加えて、この方は、水ぶくれのような皮膚の薄い状況が合併していました。通常は、テーピングや一時的な外固定(取り外しのできるギプス)で関節への負荷をへらすことで、いざ使うときに余力が残るように仕向けるだけでも症状が改善する場合があります。やや煩雑かもしれませんが、痛みが取れたりしますので喜ばれることも多いです。

 根本的には関節軟骨が摩耗していますので、痛みが生じやすい状況には変わりはありません。つまみ動作が必要な方には、手術にはなりますが、関節固定という方法もあります。2週間ほどの使用禁止期間はありますが、3か月後の指の機能を考えると決して悪い治療ではありません。

 84歳の方でも十分、麻酔や体力的には全く問題ありません。

 一番残念なのは、「年だから我慢しなさい」や「いつか固まるから大丈夫です」とのコメントをする先生が多いことです。

 「いつか」っていつまでですか?と質問をしていただきたいと思います。

 手の外科専門医の認知度が低いのが、原因かもしれません。

 患者さんのお役にたてるように「治療」と「説明」にはより重点を置きたいと思います。


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