手首の付け根が痛い ~母指CM関節靭帯損傷~
しばらくお休みしていたのですが、また5月から今月の症例からということで私のお預かりさせていただいた患者さんの病態について、少しづつ説明していこうと思います。
母指の付け根がなにかしら使う時だけ痛い方は結構多いかと思います。年齢にもよりますが、若い方ですとスポーツのけがで「突き指した」「親指がひっくり返った」「折れてなさそうだけど、使う時にはいつも痛い」などなど思い当たる節があるかと思います。
その中の一つに指の付け根のCM関節靭帯の緩みが考えられます。
細かいことは置いておきますが、「ペットボトルのふたを開ける」「ビンのふたを開ける」「袋を引きちぎろうとする」などで痛い場合に疑われます。
知っている医師は負担のかけない方法や手術での治療も知っているのですが、残念ながら、患者さんに上手く伝わっていないようです。逆に先生方に上手く質問をしていただくと答えてくれるかもしれません。
質問の例として
先生:「無理しないように使ってください」
患者さん:「では、どうしたら負担がかからないのですか?」
この時に具体的に使い方を指導してくれる先生は良い先生ですね。「テーピング貼りなさい」という先生は要注意です。それだけでは無理なので。
先生:「使う時だけ痛いなら、大丈夫です」
患者さん:「では、このまま不自由なままですか?」
この時に医師になぜ大丈夫かを説明させましょう。膝が痛い人も立ち座りや動いている時が痛いのです。関節の痛みは動くときに出ますので、手指でも装具を使って関節への過負荷を減少させます。保存療法の提案があるはずです。
先生:「様子見ていたら治ります」
患者さん:「どのくらい、どんな感じで様子見るのですか?」
この時にいつまで様子を見るのか聞きましょう。患者さんの手の状態によっては、手術を考える必要性も出てきます。待てば治る訳ではありません。前述の内容につながる説明、手術治療を説明してくれる先生は信頼できます。
最後に私がお預かりさせていただいた患者さんです。転倒して靭帯損傷をした患者さんでした。掌側の靭帯を他の腱を利用して修復、再建しています。
7年前に手術させていただいた患者さんです。
傷もきれいに治っていました。
介護職で仕事をされています。
皆さんにもこうなれる可能性があることをお伝えしたいです。
高齢の方(80歳)でも全身に負担のかからない手術方法もございます。あきらめることなく、ご相談していただきたいものです。
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