ちょっと珍しい爪下の腫瘍(グロームス腫瘍)

 先日、久しぶりの症例がありました。実は5年ほど前に私が診断させていただき、経過観察をしてもらっていた腫瘍です。

指先がとくに痛いとのことでして、外観はこんな感じです。


画面の爪で右下が紫色にみえるようでしたら、それが腫瘍なのです。

グロームス腫瘍を思わせる典型的な外観像でした。

指先は動脈から静脈へと毛細血管網を形成して変化するのですが、その部位にあるグロムス細胞が異常増殖して起きる腫瘍です。

良性なことが多いのですが、まれに多房性に発生する方もいますので精査してからの手術が安心です。




手術の実際です。同部にきれいな腫瘍が露呈しました。これらを愛護的に摘出して爪床を修復して終了します。同部にあると爪甲との間にはさまって異常な痛みを訴える方も多いです。


この病態を知らなく、また、外観にはあまり目立った変化が出ていない場合は気づいてもらえない方もいらっしゃいます。

以前お会いした別の方では痛みの訴え強すぎるものの、診断してもらえず。逆に、不安神経症の疑いで心療内科に紹介状を書かれてしまったという残念なお話しもあります。


早期発見はそのあとの患者さんの生活が自ら選択できる上では、重要なポイントです。この方も自分のペースで経過観察されて、予定手術で生活への影響を最小限にされています。

細かい話になっておりますが、痛みがとれて喜んでいただけましたので、ブログにものせさせていただきました。

谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP

www.tanino-tegeka-seikei.com



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