Kanavel signs(カナベルの4兆候)はとても大切です
1週間前に棘が刺さったものの様子をみていたとのことです。皮膚科に行かれましたが手指の問題だからとご紹介をいただきました。
来院された時の写真がこのようになっています。
爪の周りが暗赤色で腫脹、疼痛が明らかです。
本来の色とは明らかに異なります。
これは、棘がささったことで皮下脂肪の組織が細菌感染を起こして周囲の正常組織がダメージを受けています。紫斑とその周囲の変化は炎症腫脹を呈しています。
この状況をKanavel signsと言います。
教科書的には、炎症を起こすことで 熱感・発赤・腫脹・疼痛の4つが発生することをさします。最後に機能障害が起きるので、これを含めて5兆候にする教科書もありますね。
この4つがそろっている場合、患者さんの局所にとっては危険な状況です。
指のこの部位ですと細菌に起因する骨髄炎や腱鞘炎が発生する可能性が危惧されます。そこまで悪化すると機能障害(先ほどでてきましたね)が残ります。この方も1か月の治療期間を要しました。
どうぞ、何か起きたら困りますので、早めの診断と治療を心掛けてください。