今日の症例から ケガの後のしびれには注意しましょう。~指神経断裂縫合術~
今日はちょっとマニアックですが、
指周辺の傷の時には、指の しびれがあるかを注意してください。
患者さんは、17歳男性でした。ガラス片に手をついて皮膚を切ってしまい、近所の外科で縫合術をしてもらったそうです。それ以降、しびれが続くため当院を来訪してくれました。
他院では、傷が治ったら問題ない旨、しびれは経過見ましょうとのコメントだったそうです。
傷はこんな感じですので、指神経や腱損傷が危ないパターンです。
親指の指腹がしびれるとのことで、指神経断裂を疑い手術を勧めました。
手術で確認してみると神経は傷が入っていました。
(画面真ん中下のマカロニみたいに見えるところのくびれみたいなところが断裂部位です)
顕微鏡を用いて、髪の毛よりも細い糸で縫合しています。
固有指部での神経断裂はご本人のしびれが唯一の症状ともいえます。神経の走行(通っている場所)は、手外科専門医ならば想像がついていますので、最初のケガをされた時に神経損傷の有無を確認しながら治療に当たってくれます。
神経断裂は様子を見ても治りません。傷の上をぶつけるとそれより指先がしびれて響いたり、けがをした指が他の指と比べてしびれている場合は要注意です。
めったにないのかもしれませんが、お怪我をされた時にはしびれの有無には気にかけていただき、しびれていた場合は、きちんと先生にお伝えして対応を考えていただければと思います。
谷野医師勤務 藤井外科胃腸科・整形外科のHP
www.tanino-tegeka-seikei.com