尺骨神経麻痺による再建手術(肘部管症候群) 腱移行手術後
本日は以前に手術した肘部管症候群という尺骨神経麻痺でお困りの人の手術の患者さんです
「手指が握りにくい」「物をつまみにくい」「開いたり閉じたりができにくい」といった具体的な不自由を自覚していた方です
外観でわかるようですともう整形外科医と同じ目線ですね。左手の指と指の間が委縮してやせています(何となく指の筋が際立って見えたらすばらしい)。
動画も載せてみましょう。
先ほどの、「物をつまみにくい」「開いたり閉じたりができにくい」がみえてきます。また、この方は指を伸ばそうとすると鷲の手のような動き方をしていました。これは「鉤爪用変形」と呼ばれる典型的なアンバランスな状態です。別の方ですと「どんぶりを持とうとすると、淵に手が当たってしまいます」とお困りでした。
この方には、大変なのですが、神経剥離と腱移行という使いにくくなった状況の指を操り人形の糸を付け替えるような手術(細かすぎますので、ここでは内容を割愛させていただきます)を行いました。尺骨神経の再建術式名を挙げておきますと、Neviaser法とBurkhalter法の併用です。再建法の中で私の得意としている方法の一つです。
手術後の外観と動画を置いておきます。外観が何となくふっくらしてきました。
また、傷もあんまり目立たないかと思います。
握りも滑らかになりました。つまみ動作もやりやすいとのことです。
この肘部管症候群による尺骨神経麻痺はあまり不自由さが目立たないため(細かな動作が困るのであって、大きく握ったり開いたりには支障がないのです)、ご本人だけで悩んでいる、あきらめている方も多い印象です。
しかしながら、どうぞあきらめないでください。上手く相談していただき良い方法を一緒に考えていただければと思います。
小生も10月から日本手外科学会認定指導医を拝命しております。
手肘のけがでお困りの方には、お役に立てることもあるかと思いますので、
ご相談いただければ幸いです。
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